乱読本立

ジャンルを問わない読んだ本の備忘録。5年後読み返して面白かったらいいなと思う。

『火の鳥』黎明編 未来編 ヤマト編 宇宙編 復活編 羽衣編 望郷編 乱世編 生命編 異形編 太陽編

火の鳥

著者:手塚治虫

 

鳳凰編、エジプト・ローマ・ギリシャ漫画少年版黎明編を残すのみになった。

何しろほぼ一気にガツガツと読んだので、再読したら見落としに気づくのだろう。

黎明編、乱世編、太陽編が私の中で強烈だった。タイトルに表記した順で読んだのだが、太陽編に気持ちが持っていかれ過ぎて鳳凰編まで辿り着けなかったくらい。

生死感、人間と機械、生命とは。神とは

宗教とは。当然のように性への言及があり、母があり父があり、息子、娘がある。生々しいのだ。

私はずっと手塚治虫を「少年向け漫画」を描いた偉人(人格者という意味ではない)だと思ってきたが、そうではないとよくわかる。今までで一番難解な漫画に出会った気がする。

テーマが壮大な上に、互換性があるから次は、次は、となってしまうという、眠る前気軽に読めるものではないが、だからこそ手元に揃えたくなった。

すっかり手塚治虫にハマったらしく、アトムやブラックジャックブッダも読みたい。(その事をメトロポリスを薦めてくれたベターハーフに伝えたら、追加で推薦図書をもらった。暫く漫画にも迷うことはなさそう)

「身毒丸」「草迷宮」岸田理生戯曲集

身毒丸」「草迷宮」岸田理生戯曲集

著者:岸田理生

発行:劇書房  発売:構想社

 

当時話題になった蜷川幸雄の舞台『身毒丸』の戯曲はこれなのだと、後書きで知った。

今、私の中で数年前からちょっとした舞台(戯曲)ブームが起こっている。

物語としては余白が多過ぎるが、戯曲なのだから当たり前だ。

今回身毒丸読み比べのために寺山修司の戯曲集(おそろしく分厚い)も借りているので、チャレンジをするつもり。

これは岸田理生版だからなのか、寺山修司もなのかわからないが

『ぼくはおとなになるのが、おそすぎた。』

『もういちど、ぼくをにんしんしてください。』

『抱いて下さい、抱いて下さい。恋は修羅、いのちは炎、はるかの底に墜としても下さい。』

という終盤の畳み掛けが素晴らしい狂気の沙汰っぷり。

この戯曲をどうやって上演したのか…早急に蜷川舞台の身毒丸を借りるつもり。

 

寺山修司蜷川幸雄野田秀樹からは一生逃げられない気がする。

ここ数日で読んだ本たち

名探偵カッレくん

名探偵カッレくんとスパイ団』

こちらでカッレくんシリーズは読了となる。どのお話もカッレくんの魅力と、カッレくんたち子供を見守る大人たちが素晴らしい。スパイ団ではエーヴェ・ロッタが子供から娘らしくなってゆく予兆を感じてほんの少し切なくなった。私はカッレくんシリーズでは『カッレくんの冒険』がいちばん好きだが姪たちには3冊まとめて贈り、どれがいちばん好きかいずれ聞いて見たい。

 

『MOCKTAIL』

『はじめてのゼロ・カクテル』

実はモクテルに興味がある。アルコールが飲めない体質もあるのだが、作り物らしい色味にひかれる。写真や本としての雰囲気はMOCKTAILが好きだが、レシピははじめてのゼロ・カクテルにひかれる。私も緑や紫のシロップを用意すべきだろうか。

 

手塚治虫漫画全集 201 火の鳥①』

手塚治虫漫画全集 202 火の鳥②』

お薦めされてよみはじめた。なかなかにショッキングで狼狽えている。あっけらかんと残酷描写があり、また、猿田彦の蜂刺された鼻をナギが舐めてやるシーンにびっくりした。なんというか、セクシャル。時代なのか、手塚治虫のしゅみなのか。兎に角、これは読了すると決めた。

 

近況。風邪をひき、床に伏せている。虚弱体質が恨めしい。そろそろ民俗学の本も読みたい。

『メトロポリス』

手塚治虫漫画全集 44 『メトロポリス

発行 講談社 1979年1月20日第1刷

 

先日アニメ映画『メトロポリス』を観て、原作を読んでみようと思って借りた。

ストーリーがわかりやすいようで、わかりにくい。映画を先に見た弊害かもしれない。

漫画のミッチイの吹っ切れ方はティマと同じくらい凄まじく、救いの無さも映画と同じくらい。

大きな違いとして、ミッチイが普通の生活を体験しているが、ティマはしていないし、ミッチイが『親に会いたい』と思っているのに対して、ティマは『自分は何か』という疑問をかかえつつ(但しミッチイも潜在的には抱えているのだが)『親はケンイチ』と断言してしまうこと。ティマは赤子のような無垢さがあるが、ミッチイは思春期のゆらぎのようなものの中にいる。また、レッド公のミッチイへの態度とティマへの態度の違いがある。ミッチイへの突き放しを映画ではロックが引き受けているのだろう。ヒゲオヤジの役回りもかなり違う。

筋とは関係ないが明らかにミッキーマウスをモチーフにしたキャラクターが出てきてギョッとした。

この漫画が名作かと言われたらちょっと首を捻る。個人的には映画の方がオススメだ。

『キング誕生』

今日読んだ本

『キング誕生 池袋ウエストゲートパーク青春篇』

著者 石田衣良  発行 文藝春秋

 

ずっと読んでいる池袋ウエストゲートパークシリーズの外伝的な書き下ろし文庫本。ドラマで知って、原作である当シリーズを読み石田衣良に嵌ったクチで、読み始めた頃は小説のキングとドラマのキングがあまりに違うのでオロオロしたのも遠い昔。

読者にマコトが語り掛ける文体がなんとも聴きやすい。(実際には読んでいるのだが)

17歳のマコトが見た17歳のタカシを既に少年ではないマコトが回想する。

トラブルシューターにいつの間にやらなってしまったマコトが、何一つトラブルを収束させられない話だ。だけれど、マコトとタカシの信頼関係、マコトがGボーイズにはいらない理由、マコトの母親がタカシを気に掛け、タカシもマコトの母親の前ではただのマコトの友達になってしまう、その理由が明かされる。

後味がいい話かと言われれば、あまりいい話ではない。けれど、シリーズの中にある、兄の仇を討つために少女がキングにナイフを向けた時、悠々避けられるようだろうに、抱きとめるようにその刃をうけるシーンに納得がいった。タカシはナイフを使わなかったが、兄の仇を討った事がある。

哀しみが深い作品だ。シリーズの発行順を追って読むことをお薦めしたい。

 

北海道の地震や台風の被害が心配だ。しかし、私にできる事はあまりに少ない。せめて自分が参らないように生活して、無駄な面倒をかけずにいようと思う。

ひとまず今年読んだ本たち

冬のうちはあまり本を読めなかったが、『もう牛を食べても安全か』は圧巻だった。小学生の私に衝撃を与えた『生物と無生物のあいだ』の著者、福岡伸一の本だ。民俗学の本を去年貪り読んでいた流れからになる。民俗学に知的好奇心を刺激される。芸能の民俗学的見地や、露天商、闇市などについても知りたいと思っているが、何から手をつけるべきか…

春から夏に向けては兎にも角にも、長野まゆみを読み返していた。『天体議会』『宇宙百科活劇』『夜間飛行』『夏至祭』『三日月少年漂流記』『少年アリス』『螺子式少年』『鉱石倶楽部』…もう少し読んでいる気もするが定かではない。『夏期休暇』『夜啼く鳥は夢を見た』『魚たちの離宮』『カンパネルラ』は8月読んだ。流れからして『銀木犀』と『雨更紗』にゆくべきだろう、と勝手に思っている。なんとなくその2作品でこの長野まゆみ再読祭にケリがつく気がしている。

漫画だと昨年出会った市川春子作品『宝石の国』『虫と歌』『25時のバカンス』、前から読んでいる『鬼灯の冷徹』や『ヲタクに恋は難しい』、懐かしの水月博士の『獏-BAKU-』や楠本まき全集。薦められて『ハイキュー!!』も最新刊まで読んだ。

ある種で王道の『ポーの一族』を初めて読んだ。そして、借り物だったので早速文庫版を揃えた。初、といえば『QED 呪いの百人一首』を読んだ。相当なビビりなので、ミステリーは滅多に読まないのだが、面白かったので順に沿って読むつもりだ。読んで面白かったものに『カッレくんの冒険』も忘れてはいけない。

懐かしいものや繰り返し読んでいるものと、全く初めて触れるものが混在している。…当たり前か。

『名探偵カッレくん』

今日読んだ本

名探偵カッレくん岩波少年文庫

A.リンドグレーン 作  尾崎義 訳

 

カッレくんシリーズの第1巻。

親友のお薦めが2巻の「カッレくんの冒険」だったので先にそちらを読んで、先日この「名探偵カッレくん」と3巻で最終巻になる「名探偵カッレくんとスパイ団」を借りた。

やはりカッレくんは面白い。

大人たちの見守る姿勢、子供たちの遊び方。家庭環境の違う子供たちが親に規制される事なく集まって遊び、子供たちも家庭のルールを無視することはない。(夜中抜け出すのもカッレくんの探偵たる使命感からであって、友達と遊ぶためではない)何より仲が良いからこそできる『バラ戦争』には胸踊る。ちゃんと喧嘩するぞ!と十分間殴り合うなんて素敵だ。形式美もいい。弱いものいじめではなく、対等な、素手素手のスポーツな喧嘩、というのも今の日本の児童文学では描かれないものだろう。友人が第2巻を最も薦めてくれた意味がわかったよう思う。

そしてカッレくんたちの不審人物に関しての直感的な感想がいい。大人になってしまった私の衰えた嗅覚よ。(かわりに経験値や知識は増えたけれど)

ピストルが何かにつけて出てくることや、車種について言及するあたり北欧だな、と思う。度々出てくる甘パンとクリームパンの違いがどうしてもわからない。食の歴史に詳しい友人に訪ねてみよう。いやはや、日本からみるとスウェーデンはかなりの異国だ。

実は同じ著作の「長くつしたのピッピ」をつい先日、読んだのだがピッピが好きになれなかった。行動が破綻しているし、ものを大事にしなさ過ぎる。喧しすぎる。自分を理解させるばかりで、自分が相手を理解する気が全くない。どうしてこちらがカッレくんシリーズより有名なのか、甚だ不満だ。

私は姪たちにカッレくんシリーズを近々贈る。支離滅裂の無法者ではなく、自由闊達なおてんばくらいの子供時代を過ごしてほしい、なんて勝手に思うが、彼女たちが自分たちらしく遊び育ってくれるのが一番なので、贈るだけで何かを言ったり、なにかを強要するつもりはない。おばの推薦図書なだけなのだから。

 

新たに読みたい本

訳者繋がりでP.コラム作の「北欧神話」こちらも岩波少年文庫だ。

私の初めて触れた北欧はリレハンメルオリンピックで、開会式の『フェアリーテイル』から興味を抱き、北欧の人ならざる妖精、精霊、小人たち、特に『ノーム』を愛している。北欧神話の『太陽の東 月の西』もピッピと同タイミングで図書館にて借り読んだが、訳者と言葉のテンポが合わず残念だった。それもあり、だいぶ期待している。

 

に、しても、カッレくんシリーズが中学生向けなのは解せない。小学校中学年くらいで充分読める内容だ。実際、親友もその頃始めて触れたらしい。だいいち中学生にもなれば、本屋に置いてある一般小説のどれでも、読んで楽しめる歳だろう。出版社は中学生の読解力を低く見積もりすぎていやしないか?それに15歳の子が僅かに歳下である13歳の子の探偵活動や遊びに、(友人の薦めなどロイター板的なものがない状態で)はじめて触れてワクワクできるものだろうか。

 

全く関係ないが、今日は台風が日本に上陸した。風の音が凄い。