乱読本立

ジャンルを問わない読んだ本の備忘録。5年後読み返して面白かったらいいなと思う。

昭和元禄落語心中 読了 +α

読みたいから大人買い、を出来る人生でよかったと思う。だから積ん読が増えるんだけれど。

 

昭和元禄落語心中』全10巻 読了

連載が始まった当初も、アニメ化の時も気になっていたけれど、タイミングが合わず、実写ドラマ化を家族が観ていて、やっと手を出した。何とかドラマより先に原作を読みたくて、まず揃えてからざくざくざくざく読んだ。

ざくざく読んだせいかもしれないが、とてもさらりとした質感のお話だった。実写ドラマがかなりネッチリした質感だから、原作に寄せているのかな?と思っていたゆえ少し意外。実写ドラマ、行間読みまくりなんだなと…友情、親愛から愛しさも怨みも執着もハミ出まくりのドラマにくらべ、『落語界』が主軸です!というのがわかる。

何しろざくざく読んでしまったから、読み返しはゆっくりやろうと思う。出来ればアニメも実写ドラマに追いつきたいが…明日迄は無理かなぁ。

 

『聖月夜』長野まゆみ 河出文庫

もはや長野まゆみはいちいち書く必要あるのか?というくらい、手持ちのものは日常的に読んでいる。冬の話が読みたかったので直球に。お茶会に行くアリスも収録されていた。仔犬の気持ちを読むと、パラレルワールドにいる気分になる。時間軸通りじゃないせいなだけだが。

 

宝石の国 9巻』市川春子

本誌を読んでいるので、展開は分かっているがあああああ…となる。しかし宝石たちが思春期に見えてきてから、ちょっと和んでいる自分もいる。深読みや伏線を探せる作品で楽しい。

 

今年中に積ん読になっているバナナフィッシュとゴールデンカムイを読みたい。聖なる暴力と薔薇の名前、人間論ノートも読みたい。もう11月も終わり。何から手をつけるか悩ましいところだ。

今日読んだ本『大家さんと僕』『ロストワールド』

『大家さんと僕』矢部太郎 新潮社

父が買ってきたものが回ってきた。気になっていたので、有り難く読ませてもらった。

大家さんが可愛らしい。ほっこり、より切なさを感じるのは大家さんの訃報を知っているからか。矢部さんといえば私の中でバッグクロージャーの人だ。イメージの変わることがなくて嬉しい。

 

ロストワールド

手塚治虫SF3部作(でいいのだろうか?)の『メトロポリス』『来るべき世界』『ロストワールド』をこれで完走した。

植物の人間…人間の男と性交による繁殖が可能で、食すこともできる。いやはや、エグい性癖だ。私は好きだけれど、これの対象年齢は幾つくらいなのか。場合によっては悪夢的体験になりそうだ。

初期作だから、世界に2人きり、動物が喋るなど火の鳥ブラックジャックの『ナダレ』回に繋がっていくのだろう。

手塚治虫、面白い。

 

蛇足だが熱心に読んでいるせいで、市川春子手塚治虫が好きなのかな?と思ったりした。星の恋人や宝石の国で読んだものの原始を見ている気がしてならない。

友人のカフェで読んだ本

『わすれられないおくりもの』

作・絵:スーザン・バーレイ
訳:小川 仁央
出版社:評論社

 

『おじいちゃんのところ』

著者 ヘレン・V. グリフィス
翻訳 あきのしょういちろう
イラスト ジェームズスティーブンソン
出版社 童話館出版

 

『クリーナおばさんとカミナリおばさん』
著者 西内ミナミ
出版社 福音館書店

 

姪たちに薦めたいから、子供の頃読んで好きだった本を教えてくれと友人であるカフェの店主に強請ったら、数冊読んだ時の感想やエピソードを添えてテーブルに置いてくれた。(彼女のカフェは本がやや素っ気なくも沢山ある)その中から読めたもの3冊。読めなかったものはタイトルをメモした。

 

『わすれられないおくりもの』はかつて読んだ事があったが、その事を長らく忘れていた。死と、残された側の心情が穏やかに、しかりハッキリ描かれていて他者(自分以外の)死への不安を漠然と抱いた時、一助となりそう。

 

『おじいちゃんのところ』は初見。いかにも海外(アメリカン!)の児童書だなぁと随所に感じながら読み進めたが、おじいちゃんのキャラクターがとても素敵だった。そしてどういう経緯でかかれた本なのか少々気になっている。

 

『クリーナーおばさんとカミナリおばさん』流石福音館書店!という親しんできた空気感。おばさんとおばさん?とタイトルへの疑問はフックなのだろうか。ちょっぴりシニカルで、現実におけるファンタジーという救いを感じた。

 

『銀木犀』長野まゆみ

『銀木犀』

長野まゆみ著、河出書房の文庫版。

この本をなんとなく遠ざけてきた理由は明白だった。私はとある動物の恐怖症で、その中でも最も苦手な姿で状態が出て来るのだ。

長野まゆみ初期の本をいくつか読んでいればすぐに察しがつくだろうし、私は恐怖症なのでその動物の名前を文面に残さないこととする。

木の中に閉じ込められる、というイメージは私の好きなもので、蔦性のものが何かに蔓延っていると、ゾッとしつつ胸が高鳴る。

この本から沢山の感性を貰った。泥に沈む、キリリと皮を剥く、雨水をのむ。好きな情景が詰め込まれているのに、恐怖症からその事も忘れていた。

読み返してよかった、と思いながらも、恐怖症は昔より酷くなっているので、少々辛い。

好きな筈なのに手が伸びない、にはこんな理由を抱えての場合もあるのか。

『火の鳥』黎明編 未来編 ヤマト編 宇宙編 復活編 羽衣編 望郷編 乱世編 生命編 異形編 太陽編

火の鳥

著者:手塚治虫

 

鳳凰編、エジプト・ローマ・ギリシャ漫画少年版黎明編を残すのみになった。

何しろほぼ一気にガツガツと読んだので、再読したら見落としに気づくのだろう。

黎明編、乱世編、太陽編が私の中で強烈だった。タイトルに表記した順で読んだのだが、太陽編に気持ちが持っていかれ過ぎて鳳凰編まで辿り着けなかったくらい。

生死感、人間と機械、生命とは。神とは

宗教とは。当然のように性への言及があり、母があり父があり、息子、娘がある。生々しいのだ。

私はずっと手塚治虫を「少年向け漫画」を描いた偉人(人格者という意味ではない)だと思ってきたが、そうではないとよくわかる。今までで一番難解な漫画に出会った気がする。

テーマが壮大な上に、互換性があるから次は、次は、となってしまうという、眠る前気軽に読めるものではないが、だからこそ手元に揃えたくなった。

すっかり手塚治虫にハマったらしく、アトムやブラックジャックブッダも読みたい。(その事をメトロポリスを薦めてくれたベターハーフに伝えたら、追加で推薦図書をもらった。暫く漫画にも迷うことはなさそう)

「身毒丸」「草迷宮」岸田理生戯曲集

身毒丸」「草迷宮」岸田理生戯曲集

著者:岸田理生

発行:劇書房  発売:構想社

 

当時話題になった蜷川幸雄の舞台『身毒丸』の戯曲はこれなのだと、後書きで知った。

今、私の中で数年前からちょっとした舞台(戯曲)ブームが起こっている。

物語としては余白が多過ぎるが、戯曲なのだから当たり前だ。

今回身毒丸読み比べのために寺山修司の戯曲集(おそろしく分厚い)も借りているので、チャレンジをするつもり。

これは岸田理生版だからなのか、寺山修司もなのかわからないが

『ぼくはおとなになるのが、おそすぎた。』

『もういちど、ぼくをにんしんしてください。』

『抱いて下さい、抱いて下さい。恋は修羅、いのちは炎、はるかの底に墜としても下さい。』

という終盤の畳み掛けが素晴らしい狂気の沙汰っぷり。

この戯曲をどうやって上演したのか…早急に蜷川舞台の身毒丸を借りるつもり。

 

寺山修司蜷川幸雄野田秀樹からは一生逃げられない気がする。

ここ数日で読んだ本たち

名探偵カッレくん

名探偵カッレくんとスパイ団』

こちらでカッレくんシリーズは読了となる。どのお話もカッレくんの魅力と、カッレくんたち子供を見守る大人たちが素晴らしい。スパイ団ではエーヴェ・ロッタが子供から娘らしくなってゆく予兆を感じてほんの少し切なくなった。私はカッレくんシリーズでは『カッレくんの冒険』がいちばん好きだが姪たちには3冊まとめて贈り、どれがいちばん好きかいずれ聞いて見たい。

 

『MOCKTAIL』

『はじめてのゼロ・カクテル』

実はモクテルに興味がある。アルコールが飲めない体質もあるのだが、作り物らしい色味にひかれる。写真や本としての雰囲気はMOCKTAILが好きだが、レシピははじめてのゼロ・カクテルにひかれる。私も緑や紫のシロップを用意すべきだろうか。

 

手塚治虫漫画全集 201 火の鳥①』

手塚治虫漫画全集 202 火の鳥②』

お薦めされてよみはじめた。なかなかにショッキングで狼狽えている。あっけらかんと残酷描写があり、また、猿田彦の蜂刺された鼻をナギが舐めてやるシーンにびっくりした。なんというか、セクシャル。時代なのか、手塚治虫のしゅみなのか。兎に角、これは読了すると決めた。

 

近況。風邪をひき、床に伏せている。虚弱体質が恨めしい。そろそろ民俗学の本も読みたい。